〔トラパコヤ〕Tlapacoya

　文化の痕跡は古く、紀元前2300年のものと人類学博物館で認定されている女性像があります。高さは5cmで、近くの住居跡で出土しました。

　↑at 人類学博物館。

　紀元前2000年から農耕が始まります。紀元前400年に神殿建設が開始され、最終的に8基壇が積まれました。

　最上段には、四角い墓室が２つ、あります。それを覆う木造神殿があったはずです。

　時代は不詳ですが、以下の遺物が出ています。彩色土器、〔火の老神〕、初期型の〔トラロック〕。

　↑↑↑at 人類学博物館。

ジャガー意匠のカップ。右は、「ジャガーと人間女性の赤子」と言われ、どちらもオルメカ的です。

　↑↑at 人類学博物館。

　紀元前100年に人口が減少し、農村集落となります。減った人口は、テオティワカンへ向かった、とも言われています。

　そんな中、テスココ湖の北西に位置するテオティワカン渓谷を眺めてみましょう。紀元前100年の推定総人口は、2,000人弱だったと試算されています。降雨少量で河川は細く、農業の頼りは湧水だけ。漁業のできる湖岸に隣接していない。テオティワカンは立ち遅れていました。いずれ、なけなしのトウモロコシをどこかの国家へ貢ぐ立場に陥りそうな状況でした。

　ところが、西暦100年には都市人口が80,000人に達し、冒頭の写真にある都市化への胎動が始まりました。人口の自然増だけでは説明がつきません。その200年間に、何かが起きたようです。