〔クイクイルコ〕Cuicuilco Part 1

　メキシコ中央高原最初の大集落と言われます。紀元前800年から定住が始まり、紀元前200年〜西暦250年には20,000人が居住していました。

　↑at 人類学博物館。

　復元想像図では、中央に、祭壇を載せた円形のピラミッドがあります。周囲には円形基壇を伴った住居が並び、農業と漁業、非交易用陶器製造業を営んでいたようです。それが一つのコミュニティを構成し、その組み合わせが複数、広範囲に連なっていたようです。

　円形ピラミッドは3度の増築を経た結果、高さは26mで、直径は110m。周りはドーナツ型の広場になっています。外周壁などがないので、アクセス制限度は低かったでしょう。

　祭壇の詳細は見てとれませんが、最上基壇に窪んで設けられているので、穴の縁のどこかと祭壇建築物の細部とに太陽の光が重なる設計によって季節の提示を確認していた可能性があります。

　また、長さ4mの棒状の石が見つかっています。

　↑at クイクイルコ博物館。

　至る所に多種多様な紋様や表意文字らしき印が彫られてあり、太陽の角度を見てとれそうです。出土箇所は円形ピラミッドの南の裾ですが、そこで利用されていたとは限りません。

　なお、西暦250年に視点をおけば、テスココ湖を挟んで50km北東のテオティワカンでは都市人口が80,000人を超えており、都市生活者への食料供給地を欲していたはずですが、両都市が何らかの争いをしたという考古学的証拠は見つかっていません。棲み分けしていたのでしょうか。