〔テチナンティトラ〕Techinantitla

　アマナルコAmanalcoという地域の、北半分が〔テチナンティトラ〕で、南半分は〔トラクイラパスコ〕Tlacuilapaxcoです。

　↑on Google Earth。

　〔テチナンティトラ〕は300m四方の広さがあります。2024年の現地の写真です。

　平面図は提供されていますが、内部の仕切りは報告されていません。

　ここは、20世紀に壁画の収奪対象となりました。基礎になっている石の壁を壊して、漆喰部分だけが搬出されて、主に米国に奪い去られました。いつの間にか海外の博物館に展示してあった壁画と、テオティワカンの地面にバラバラになっていた剥片が照合されて、〔テチナンティトラ〕のそれであることが判明しました。主にサンフランシスコ美術館、メトロポリタン美術館で展示されているそうです。壁画BとCはオーストラリアから寄贈されました。

壁画A

　タルー部分に樹木が描かれ、タブレロの枠に〔羽毛の蛇〕がいます。〔羽毛の蛇〕は口からもたらす水が、樹木を潤す、という構図でしょうか。

　↑↑at 人類学博物館。

　考古学者は、他に3つのほぼ同様の図像があったはずだと提案しています。上の写真の下部には、8本の樹木が残存しています。根の表現はほとんど同じですが、花、及び幹の根本の絵が全て異なります。

↑at 人類学博物館。

　意味は不明ですが、根本の絵は文字だと判断されています。

壁画B

　↑at 壁画博物館。

　軽やかに歌っている爽やかさがあります。足は鳥ですが、画面いっぱいの色違いの足の指は5本で、人間を表現しています。鳥に変身した司祭が踊っているのかもしれません。

壁画C…位置不詳。

　↑at 壁画博物館。

　〔太陽のピラミッド〕のそばで発見されましたが、〔テチナンティトラ〕に属すると判断されました。大きな羽の頭飾り、声から滴る水、胴には金星が描かれています。首飾りのビーズは、元々は緑色だったと想像されます。